Carinya's Notebook Vol.1 (2000 3/25〜5/23)


「座右の映画」考 その2:とりあえずリストアップしてみたら.....

どうもインターネットというのはいけない。今のこの時期、我が仕事は一年でいちばん忙しくて帰宅したらもうぐったりなのに、ネットに繋ぐとほぼ毎日何かしら新しい情報が入っててついリンク、リンクのド壷にはまってしまう。結局好きなのだ、いまのところ(笑)。メル絡みの映画が今4本あるわけでそのチェックだけであっという間に時が過ぎ、肝心のコンテンツがちっとも進まん....。映画館にもご無沙汰してるなぁ。だから新しい映画の事が書けなくて、こんな古ネタになってしまうが、古いといっても映画は映画。それも私にとって忘れられない大好きな、あるいは妙に気になって仕方ない映画、何とかもう一度見たいと思ってる映画などなど。これらは別に特集か何かにしてゆっくりコメントをつけたいと思ってるがとりあえず思い浮かぶままに....。

メルの映画や邦画、ケルト圏の映画などをはずしたとりあえずの10本。どれも心に残り思い入れの仕方も様々。なぜ好きなのか、気になるのかいつか検証(おおげさ?!)してみようと思う......他の映画ファンの10本にも興味がある。どなたでも気が向いたら教えて下さい。そうそうどなたかは存ぜぬが、ぜひぜひ「さまよえる人々」のビデオを早く出して下さいよ。もう一度見たい!(5/23)

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「座右の映画」考:連休中働きながら(!)考えていた事.....

メルのニュースが休みなく入ってくるのでそれだけは何とかこなしながら、連休中、頭の中では常に今まで見た映画を振り返っていた。
もし生涯ベストテン映画なるものをあげよと問われたら? これはちょっと難しい。だが同じ映画を何年かたって再三再四みる、というものなら、誰にでも心当たりがあるだろう。つまりこれが生涯ベストテン、ただしベストフェイヴァリットなのだ。お気に入り、これが私にとっては肝心要。単純。だからジャンルはあってないようなもの。ただ一ついつも目的意識を持ってスクリーンに、TV受像機にむかっているようだ。ようだ、という曖昧な言い方をするのは、昔友人にそう指摘されて、そういえばそうかもと納得した。

具体的な例をあげると下にも書いたように、原作を先に読んでその映像化に思いを馳せる。図々しくも自分が脚本家、ひいては監督になったつもりで読んでいたりする。この場合はその本がすでに映画化が決まっているケースにあてはまるが、本を読む時は、往々にして頭の中に浮かんだ映像と共に読んでいる事が多い。だいたい読書ってそんなものだろうが、この主人公にはあの俳優、これを監督するならあの人がピッタリなどと、いってみればプロデューサーにもなったりする。ただしそれ以上の事は金とパワーががないから、いつの間にかそんな事も忘れてしまったりする。あとでそれが映画になると聞いて、忘れていた映像が一気に蘇ったりすると、その映画はもう私の物なのだ。だからできた映画を見に行く時は、どうしても欲しかった映画化権を競り落とし損なった監督やプロデューサーの心境。
なんて大袈裟な、と自分でも笑ってしまうが、けっこうこれで感動して帰ってくる。なぜなら私の貧弱な想像力より、数倍も彼等の方が上手だから。当たり前? いやそんなことはない。たまには私の方が勝ち、というのだってあるんだから。(いつかそういう例も書いてみよう)。

で、なにをいいたいんだっけ。そうそう目的意識。というより私にとってそれを見たい必然的理由という方が近いかな。といったって理屈っぽいものじゃない。私にとっては映画は娯楽でもあり芸術でもありまた啓蒙のもとでもあるので、どんな作品からでも何かを得る。ただ全部見る事は不可能だから絞る時の基準があるというだけだ。メルが出てたり関係してれば絶対見る。これはりっぱな理由(^^)。メルが見ろといったものも見る。これも基準の一つ。これじゃあんまり自主性がない? メルギブソンを知る前も、きっかけなんてこんなもんだ。たいしたもんじゃないが、それがもとでねずみ講式に増えていくのが、楽しかった。今でもそういう見方をしている。
そういう風にして見たたくさんの映画から、そばに置いておきたい座右の映画ともいうべきものを挙げてみたら...........疲れたので続きは今度書き出してみよう。(5/7)

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妙なるレクター博士とクラリスの関係.......トマス・ハリスの
「ハンニバル」を読んで

読み終わってすぐには言葉がない。アドレナリン過剰分泌みたいな感じでため息....前作「羊たちの沈黙」から10年。待ちに待った本だった。それが平積みされた本屋を通る度に日毎どんどん減っていきまた積まれる様を見て、これを待ってた人がたくさんいるんだなと思う。ハリウッドももちろん例外ではなく現在映画化中。今回はジョディ・フォスターにかわり、ジュリアン・ムーアがクラリスを演じてると聞いた。ジョディが降りたらしい理由がうなづけるような気がする。クラリス・スターリングはさなぎから蝶に実に見事に変貌(あるいは本来の彼女に?)するのだが、原作の最終部を占めるその過程は、もはや凡人である私の頭脳の思考回路の埒外にあって、よもやこんな結末になるとは想像もしてなかった。「羊たちの沈黙」でのクラリスとレクター博士の関係があれで終わるとは思っていなかったが......
私は映画の原作を先に読むとか後で読むとかには全くこだわらない。先に読めばこれをどう脚本化したのか考える楽しみが倍増するし、後で読めばさらに映画の細部が見えて来て、また見たくなるという楽しみが待っているからだ。だからどんどん読む。「ハンニバル」の場合は、今回は舞台が博士の故郷ヨーロッパにも飛び、そこでもう一人のクラリスともいうべきイタリアの捜査官が登場するのだが、この人物の心理的病跡と博士との絡みが、映画ではどう描かれるのかとても楽しみだ。
それにしてもレクター博士の天才と博識は、暗黒の側面を除き、そのまま寡作な著者トマス・ハリスの物ではなかろうか、と前作にもまして感じ入ってしまった。さらに.....自分が肉食好きでなくてよかったとつくづく思う(笑)。 (4/27)

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フェリシアの旅は最後からまた始まる.....アトム・エゴヤン作品「フェリシアの旅」を見て

宗教的に極めて厳格な環境で育ったアイルランドの少女がイギリスに去った恋人を探しに行く。そこで出会ったのは上品な紳士。だがこの孤独な男の仮面の下には、愛されなかった少年時代から引きずる心の傷による複雑な顔があった.....
エゴヤン監督は原作どおり時系列を並べ替え錯綜したプロットでフェリシアと男の過去を語っていった。みごとなのは男の母親の描き方。原作の要素を膨らませて具体的に脚本化したのが素晴らしい効果を生んでいる。
全体的にはまさにヒッチコックのミステリー仕立てだ。最後の最後で若いフェリシアの未来に希望を持たせた。少なくとも含みは持たせたがこの映画は酷い。残酷な場面はいっさい出ないがとても酷い話だと思う。不実や不信といったことを知らなかったフェリシアは一つ大人になったわけだが、罪悪感と贖罪という重い荷物を抱えここからほんとの旅が始まるんだと悟った。最後に心の傷が癒されたと解釈できるような表情を浮かべて自ら命をたったボブ・ホスキンス演じる孤独な中年男の来し方を振り返ると切なくなってくる。人が心地よく生きていくのにほんとに必要な要素とは何か、ということをズシッと考えさせてくれる。
ワンパターンのように始終うつむき加減で寡黙なフェリシア。だがそのクローズアップ(随所にでて来る) は息を飲むほど美しく情念的で熱い。この女優エレーン・キャシディは要注意。エミリー・ワトソン級とみた。
ところであそこに出てくるたくさんの食べ物、私にはとても美味しそうには見えなかった(笑)。好みの問題だが。
今の所アイコン・プロダクションズ作品に、はずれなしという感触を得て満足だ。次はOrdinary Decent CriminalかMillion Doller Hotelか? どちらにしても今年は楽しみが多くて嬉しい!(4/20)

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Celtic Film Festのこと........その2  I Went Down/短編集#2

本命は大当たり! 2年前に何かのレビューで読んで待ちに待っていたI Went Downは期待を全く裏切らず。それに....ムムム?これはアイルランド版「三馬鹿大将」つまりは「リーサルウェポン2」。ひょんなことからいっしょに組まざるを得なくなった中年ギャングと(どっちかというとこちらがメルの演じたエキセントリックな役に近い)堅気の青年が大金を持ったまま行方不明になったギャングを探して連れ戻すんだが、この男が予想通りのおしゃべりで道中2人を振回す。はでなアクションや爆発はない代わりにきわめてアイルランドらしいせりふやギャグで笑わせてくれる。その柱がブレンダン"ハミッシュ" グリーソンであるのは疑いない。「ブレイヴハート」からひいきにしてる俳優だが、この人が出てくるだけで微笑ましくなるのは大きな体に乗ったチャウチャウ犬のような御面相のせい?
まじめにやろう...アイルランドにもこんな素晴らしい味のある娯楽作品が出て来てまた楽しみが増えた。なおこのタイトルだが最初に青年のモノローグでこの語の意味が分かるが、それに続く「...プラトン国家に〜」というのがわからなかった。しかし見終わるとなるほど、だ。ただしプラトンのイデア論を知らないとチンプンカンプンかもしれない。でもそれがこの映画の主題であるようだ。つまりこういうことかな。人はいろんなところへ行ける、いろんな状況にまきこまれる、でも精神至上主義を貫く。まったく個人的解釈だが他の人はどう見たんだろう......

短編集というのはどこの国のでも好き。長篇と違い十人十色という感触をいっぺんに楽しめるから。漫画的なのから長篇にも負けないほどの重厚さを持ったものまでこの日は楽しめた。こういうものがどんどんヴィデオになってほしい。(4/9)

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Celtic Film Festのこと.......その1 Hold Back the night

以前アイルランド映画フェストというのがあったが、今回はケルトだから珍しいウェールズからの出品もあって焦ってしまう。仕事がなけりゃ長篇6本、短編11本くらい全部見てやるのに....選びに選んで今日はスコットランド作品Hold Back the Nightを見る。監督は俳優としても活躍してる(「フェイス」、「エイリアン3」)フィル・デイヴィス。心に傷を負った少女が家出行の途中、好青年や愛想のない犬や謎めいた老女と出会い旅する過程で、監督言うところの「治癒と贖罪」を経験していく....ケン・ローチやマイケル・ウィンターボトムで馴染んでいる社会派的な視点と台詞の言い回しがここでもみられた。ローチほど見終わった後にずっしりこたえる重さはなく、全編にユーモアが漂っていてみ終わった後にこちらも癒されたような気分になる。それは映画のほとんどをカバーしていたスコットランドの風景のせいもある。いやこっちが主人公かも。だがこの手の映画を見て外に出ると、うんざりするほどのビルと人の群れでため息....気を取り直して---これは一般公開に値すると思う。(4/5)

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What's "Carinya"?
意味は"Happy Home" 発音は....う〜んたぶん「カリーニャ」だと思います。というのもオーストラリアの先住民であるアボリジンの言葉なので正確にはわかりません。そしてもちろんメル・ギブソンの所有する農場の名でもあります。意味と響きに惹かれて借用(^^)。少しでも名前にあやかるようなページになるようせいぜい頭をひねる事にします。少なくともメルの笑顔は最高にhappy!

映画「理想の結婚」でルパート・エヴェレットは 笑ったか?
見ました! 今年初のIcon作品。何よりもあの時代のあのクラスの男性のお洒落なことといったら。以前見たイギリス映画「オスカー・ワイルド」も男優が華麗だったが、それにしてもルパートはにこりともせずとぼけていて話の軸を支えていた。狂言回しのビクトリア朝バージョンという仕立てにうっとり魅入ってしまう。あれだけの男前が筋を通すと迫力も並みじゃない。戯曲の持ち味をくずさない演出も好きだ。台詞の量が多くて字幕を追うのがちょっと大変だったけど。ああいう機知や皮肉や反語に富んだ駆け引きや会話をまねでもいいからしてみたい.....映画の中だけの話でしょうかねぇ...。

次は「フェリシアの旅」まず原作を読んでみたら....
これは打って変わって「恐い」作品のようだ。少なくとも原作を読むと。どう恐いかは見ての楽しみにしよう。原作の方はプロットが複雑に錯綜してるが読みやすい。早い人なら1日で読み切れるくらいのページ数だが内容はずっしりと重い。問題作といってもいいだろう。アトム・エゴヤン監督は原作にない要素を加えたというのでこれまた楽しみだ。映画と本、両方とも絶対味わって!(3/25)



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