Mel Gibson Talks About MEL GIBSON

US Magazine, USA - September 1997
By: Mel Gibson himself

これは珍しい。メルが質問して、メルが答えてるもの。英語で読んでもそのおかしさと皮肉たっぷりのジョークはよく伝わって、
むしろ日本語にしてしまうと面白くなくなるんではと懸念。なんとかそれらしく訳してみた。
メルがふだん取材を受けてうんざりしてるのがわかって面白い。つまり一見冗談ばかりに見える行間に、実はしっかりと彼の
マスコミに対する本音が潜んでる!
注意:くれぐれも問いも答えもメルだという事を肝に命じて読む事!(^^)



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輝くオスカー像までもらった 僕の長いキャリアのうちでは、ずいぶんいろいろな役にチャレンジして来たもんだ: 俳優として、監督やプロデューサーとして、父親として、そしてボスとしてもね。だが今回は今まで1度もやった事のないようなとんでもない役柄に面と向かう事になった。つまりインタビュアとインタビューされる側を1人で演じるのさ。

Extremely Wealthy and Successful Celeblities Club(註:実在するかは不明だけど、大稼ぎして成功した有名人クラブとでもいうのか。もちろんジョークだろう。笑)略してEWSCC。これに関しては僕も入会するに足るものと自負してるが、それの先日の会合において議題になったのはマスコミ対策。これに対して我々が塩とタバスコを振りかけて彼らの皮をひんむく(つまり癇癪を起こす)こと以外に何ができるか話し合ったんだ。


答え:自分で自分を取材するんだ。ヘイ、そうやって何がおかしい?

この手の事は契約条項にだってあるんだよ。例えば僕の契約書のセクション12aにはこうはっきりと書かれている:
止めようがない神の御業、たとえば竜巻きが発生したような危急の際においては、本人がリーサルウェポン 3部作を鑑賞してる間に、彼のアシスタントとアシスタントディレクターの両人が彼の足にミラクル・ホイップ(註:アメリカ製の生クリームホイップ!)でもって塗油を授けるとする。
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というわけですてきな水曜日の午後、ごきげんな南カリフォルニアの海っぺりをメル・ギブソンとぶらつきながら自分を見つめたんだ。それで驚かされたのは、これまで僕の読んだいろんな記事に反して、彼が実に思慮深く、礼儀正しく寛大な人物だと知った事。彼を形容するのに最も頻繁に使われたgoofy(註:ちょっといかれた奴くらいの意)ですらほとんどない。じゃ何が意外じゃなかったかって?
あの人を喰ったような青い眼といたずらッ気たっぷりのニタニタ笑いに呑まれて正気を失う前に、いかに僕が素早く逃げたかって事さ!
ところでオスカーを2個もらったのって誰がいたっけ?もちろん僕の親友でEWSCCの仲間でもあるジョディ・フォスターもそう。「でも一晩に2個じゃない」とメルが御親切にも指摘した。

さて我々はあるカフェに立ち寄ってカプチーノのピッチャー越しにいよいよインタビューを始める事にした。以下は全体にまんべんなくジョークをまき散らした素晴らしい会話を写したもの。ゆったり座って、このとんでもなく面白く、洞察力に富んだメル・ギブソンインタビューを楽しんでもらいたいね。こんなのはきっと初めてだよ!

再注意:くれぐれも、問い、答えともメル自身だという事を忘れないで!



このスイッチかな.....ハロー? ただいまマイクのテスト中.......ワン、ツー、スリー.......
[ 歌い出す] Goldfinger, wider than a mile!♪

[イライラして] まだ?

オーケイ。さてと...僕は今メル・ギブソンと一緒だよ。ところでメルと呼んで差し支えないだろうね?

いや、ある。

僕が言いたいのはずっとあなたの大ファンで全作品が気に入ってるんだという事。「バード・オン・ワイヤー」さえもね。
(註:ハハ、これは意味深い。女性には圧倒的に好評だったこの映画、男性には不評だった裏がある。あるいはメル自身にとってそれといってチャレンジではなかったって事かも。あるいは.....考えてみて!

ありがとう。[太巻きにした札束から1枚剥いて] 100ドルだ。

ほんと?! もらっていいのかい?

もちろん。あり過ぎて重いくらいだ。

サンクス! さて、僕の考えじゃ子供時代から始めるのが筋だと思う....

僕の考えさ。

1956年にニューヨーク州の田舎の方で生まれて.....

どうしてそういう言い方をするんだ?

そういう言い方って?

今「ニューヨーク州の田舎の方」って言っただろ。それじゃまるでニューヨークシティとごっちゃにされないため
みたいじゃないか。[ 不機嫌丸出しで] なぜ単にニューヨークって言わないんだ? 田舎出じゃクールじゃないっての?

そいつぁ悪かった。

いいんだ、いいんだ。僕が悪い。タバコをやめたんでイライラしてるのさ。

やめてどれくらい?

喋り始めてどれくらい経った?

3分半かな。

じゃ3分半だ。

そりゃすごい! おめでとう!

サンキュー。

それはともかくアメリカを離れてオーストラリアに移ったと。この移住はあなたにとってショッキングな経験だっただろうね?

ああ、うん。

どんなふうに?

そうね、 もし水曜日の夜10:30にLAを発つとする。するとシドニーに金曜の朝6:05に着くんだ。
でも逆だとこうなるんだぜ。シドニーを金曜の午後1:55に出ると同じ日の朝10:25にLAXに着く! 
ガキだったからこの数学的な不思議に気も狂わんばかりに不安になったよ。
それとVegimite
(註:麦芽と野菜のエキスから作ったオーストラリアの国民食的サンドイッチスプレッドとか、ラグビーとか。ショックだったなぁ。

あ〜〜〜、メル........

[ 素っ気無く] ふん。

あ、ゴメン。なんて呼んだらいい?

O Gifted Oneってのはどう?(註:天才というくらいの意)

オーケイ。じゃ O Gifted One, -

[ 愛想よく] イェ〜ス?

姉さんの一人があなたを演劇学校に入学させたんだよね。そこではどんなだった?

初めの頃は全くゾッとしなかったね。1年生だったからたっぷりといびられたしね。でも僕はでかいボディガードを雇ったんだ。
しつっこく喧嘩を売る奴がいたからね。で、奴もボディガードを雇った。だから結局なんてこたない、僕のと奴のボディガードが
ファイトしてる間、雇い主どうしで殴り合う羽目になっちまった。やつのケツを蹴っとばしてやったよ。そしたらすごい人気者に
なって、そして......

ちょっと待った。それって「マイ・ボディガード」の筋と同じじゃないか?

そうだよ。でも「僕はそこでダンスやら台詞の言い方やら、フェンシングやら方言やら、その他なんたらかんたら習いました」
なんて言うよりよっぽど気がきいてるだろが....ったく。なぁ、おい、これはインタビューだろ、もう。

わかった。何ちゅうか、つまり....あ〜〜、これは僕にとって初めてのビッグインタビューなんでちょっとナーバスになっちゃって。

[ すっとんきょうに吠えて] なーんてこったい! 誰がよこしたんだ? 僕の広報係は?

悪かったよ。O Talented One.

[ いらだたしく] O Gifted One.

そうだった。ゴメン。

ま、いいだろう。続けて。

一番忘れられない映画体験というと何?

うん、それはうんざりするくらい暑い日だった。そこが街で唯一エアコンがある映画館ってんで、とにかく暑さから逃れる
ために入ったのさ。でも見てぶったまげたよ。ドン・ノッツとティム・コンウエイのThe Apple Dampling Gang だったんだ!
底抜けに可笑しいどんちゃん騒ぎにすっかり巻き込まれてね....

あ〜、僕が聞いてるのはあなたが実際に演った中でって事なんだが。

あっそ。「ブレイブハート」だ。次の質問。

え、え〜と、ちょっと待って。[ 慌てて質問リストを探ってる] その他には?

おい、おい! 一日中ヒマってわけじゃないんだぜ!

あー、うん。あったあった。「身代金」を作ってた時、自分の子供を誘拐される事を想像してみた?つまりそれを頭に
描く事で役に深みを与えるためにとか?

[ ゾッとさせられた余りあきれて] まさか。考えても身の毛がよだつじゃないか。一体全体どこのトンカチが「自分」の
子供が誘拐されるのを想像するんだよ。どっか具合でも悪いんじゃない?

いや別に。いい質問だと思っただけで。じゃ何か役作りのためにリサーチとかした?

[ うなづく] アーノルド・シュワルツェネガーの子供を誘拐してみた。もちろん、ほれ、たった1時間だけだよ。
で、彼を呼び出してどんな気持ちか聞いたのさ。スマートなやり方だろ、ん?

彼は怒り狂ったんじゃ?

初めはね。でも訳を話したら分かってくれたよ。で、葉巻きをやりながら二人で大笑いさ。全く大した男だね。
本物のどぎついユーモアのセンスを持ってるね。

お、いい線になって来たぞ:つまりあなたの例の悪名高いユーモアのセンス。今まで仕掛けた中で一番どぎつい
悪戯といえば?

ここだけの話だね?

もちろん。

[ テレコを指して] そいつがまだ回ってるんじゃないかい?

[ 嘘をつく] いんや。

えーとね、いちばん下の息子のシェッキィがどうしようもなくポニーをねだったんで、僕とワイフは彼を車に乗せて
ひたすらモンタナへの道をドライブしたんだ。いい?

Yeah....?

で、納屋に着いて彼に言った。「あそこにポニーがいるよ」彼は車を飛び出して納屋に飛び込んだ -- 僕らはさっさと
そこを離れた!

Yeah....?

それだけだよ。

それだけ? あなたたちは子供を置き去りにしたの?

Yeah。 [ 残念そうに] 納屋を出た時の彼の顔を見る事が出来なかったのがなんとも惜しい。

ちっとも面白くない。

そこにいなかったくせに。

ちょっと待った。シェッキィなんて名の息子はいなかったはずだ。

これからもいないよ。今までどうり子供は6人さ。ところで僕は言いたいんだが、誰もポニーの事を聞いてくれない。
あー、僕のサングラスを見かけなかった?

あ、いや。なくしちゃったの?

そんなはずはないんだが。下にでも落ちたのかな。
[ と言ってテーブルの下に消えること2, 3分。サングラスをかけて出てくる]

今タバコを喫ったでしょ。

[ 憤然として] ノー!

煙の匂いがする。

[ 腹立たしげに] 君の事をインタビュアまたはジャーナリスト、あるいはこの頃君たち「真相供給者」が自分の事
をなんて呼んでるか知らないが、とにかくそういう人種だと思っていた。
まさか君がレポーター兼法医学者だとは知らなんだ。

まさか。でも確かにタバコの匂いがするんだが。

ムムム....じゃ風はどっちから吹いて来てるかね、クィンシー君?

あっちから。

では「あっち」で誰かがタバコをすってるかも知れないだろ?

まあね。

[ わめく] まあね?!

分かった!分かった! そうかもしれない!

そうだと思った。君、気をつけた方がいいよ。しつこくするとEWSCCがケツッぺたにとりつくぞ:
そうされたくないだろ。これからは黙っちゃいないからね。
[ ヒソヒソ声になって] アレック・ボールドウィンはしつっこいビデオ野郎をノックアウトしたし;ショーン・ペンは
右フックをかましたぜ;デ・ニーロはバットを持ち出したし;ザ・ザ・ガボールはお巡りまでひっぱたいたと言うじゃ
ないか;ブルース・ウィリスはエンクワイヤラーのレポーターを連れ出して....
(註:taking out. これには「殺す」の意味もあり)

えっ、ブルースはそいつを殺っちゃったって!?

何だって? 何を言ってるんだ。ダグはどこだ?
僕はそんなことを言ったか、ダグ?[ ウエイターの溜まり場の後ろから突然アシスタントのダグ・ウィーバーが飛び出して言う:
「いや、メルが言ったのは、レポーターをtaking outして...さ」]
わかったかい? 取り違えるなよ。taking outだ。
で、そいつをディナーに連れ出して彼は富みと名声がもたらしたことについてとくとくと説明した。そしていかに
マスコミが日常生活をメチャメチャにしてるかもね。その後そのレポーターはたしかグヮダラハラでのある作戦行動の
ために、アメリカを去ったはずだ。ダグ、彼はどこで死んだんだったっけ?
[ダグは今は隣のテーブルにいる。「グヮダラハラでさ。作戦展開中にね」] わかった?

わかった(ような...)。グヮダラハラではそんなに危ない作戦がたくさんあるのかい?

山ほど。

でも何の為に?

ナチスだ。

[ 当惑して] ナチス?

グヮダラハラでのヒットラーのDNA実験について、いったい君は知ってんのか知らないのか?

知らない。

最近世界中で頻発して起こってるシャム双生児の事をいったい君はどう説明する?

そんなことがあるなんて知らなかった。

おい、しっかりしろよ!

ちょ、ちょっと待って...これって全部新作のネタじゃないか? パラノイアのごたくだろ?

君の言ってるのはワーナーの新作で僕とジュリアとパトリック・ステュワートの「陰謀のセオリー」のこと? 
8月8日封切の? 僕とドナー監督コンビ5作目の?

それそれ。それならわかる。

ばれたか...まあ、ある点ではね。

でもナチスってのは?

ああ、グヮダラハラの地中海クラブってのは実は赤ん坊製造の研究所なんだ。そこでは新生児にヒットラーのDNAを注射してる。

へぇ。だけどその赤ん坊たちが即ヒットラーになるってわけじゃない。

もちろんそれはない。だが新しいヒットラーのために栄養源を創ることはできる。
こう考えてみなよ:シャム双生児を切り離したら果たしてどっちが生き残るか?片っぽは口ひげをはやし髪を横分けにしてる。

そんなことをそんな風に考えたことなかった.....

もちろんそうだろう。連中はそう考えて欲しくないのさ。じゃ何を考えて欲しいかと言うとブルーのM &M'sのことなんだ。

へ? 何だって?

こう考えてみなよ:M &M'sのカラースペクトルにブルーが加わるまでは自分は不幸せだったか?

別に。

ちゃんと考えろよ、ブルーのM &M'sのことを。

ちょ、ちょっと待って。要点をまとめさせて。
え〜と....グヮダラハラの地中海クラブは実は秘密のナチの研究所で、そこではヒットラーのクローンで支配人種を
つくり出そうとしている。で、注意をそらすためにどういうわけかブルーのM &M'sがずっと利用されてたんだね?

ずっとそう言ってるではないか。君は危険に直面するだろう。

僕が?

ああ、そうだ。これを活字にしたらね。[ 驚いて] おい大変だ! 伏せろ!

[ テーブルの下にもぐりこむ] な、なにがどーした?

[ 小声で] そこでじっとしてるんだ。まだわからん。

どんな様子? 何が見える?

高性能ライフルをもった男のようにも、カモメの群れ(註:Flock of Seagulls. ポップグループの名前でもあるのようにも見える。

それって鳥の方? 歌のグループの方?

わからない。出て来ない方がいいぞ。

[ インタビュアは起き上がりキョロキョロするが、別に異常ない] 何もないじゃないか。
[ そこでなにかしどもどしてるメルを見やって] ヘイ、口に中に何が入ってるんだい?

[ 口を手で覆って] へふに(←別に)

いや嘘だ。タバコを口の中に隠したんでしょ。

ノー!

あ、飲み込んだ!

してない!

何か飲み込んだのは確かだ。

時々、カプチーノの飲み過ぎで咽に痰が絡む。だから飲み込んじゃうのさ。僕のファンは僕が痰持ちだと
知る事になる。満足?
( 註:phlegmには「痰」の他に「無気力」「冷淡」「鈍感」などの意あり)

でも涙を流してるじゃないか。火のついたタバコを飲み込んだからだろ?

[ 堅苦しく] 極めて率直に言って君のその態度にはほとほとうんざりだね。インタビューは終わりにする。

終わり?

明らかに君は僕を信用してない。信じないなら何がある、ん?

信じるよ。

いや信用してないね。有名人なんかこれっぽちも感情や感性を持ち合わせてないと決めつける、その他大勢と同じさ。
じっと座って文句を言わず冷やかしを聞いてりゃいいと思ってんだろ。
[ 感情的になって] 僕らはその間中、間抜けなスマイルを顔に貼りつけて気取ったまま、君らの中傷の矢がグサグサ
刺さるのにじっと耐えてるってわけさ。もしジョアン・リバース
(註:強引、辛らつで知られる有名レポーター)が行列に
並んでるのが分かったらこっちは一大隊に召集をかけるね!

でもジョアンはずっと君に好意的だよ。

知ってるさ。今話してるのは僕のことじゃなく全ての有名人について言える事なんだ。みんな肉切り斧みたいに
頭に来てんだから。

お、その言い回しは「頭に来たからやっつけちゃお」のオージー版だね、ちがう?

そうだよ、そうだよ。この先どのくらい僕は我慢しなきゃいけないんだね?

謝るよ、O Gifted One。

信じないね。

悪かった。

どのくらい悪いと思ってる?

それが証明できるなら何でもする。

ほんと?!

言ってみて。

チキンカツレツだ。

なにそれ?

油を全身にまんべんなく塗って砂の上を転がる。こんがり焼き上がるまでそこにじっと寝てるんだ。いっちょあがり。

かんべんして。

だと思った! ダグ、殺れ!

待った!

何だと?

あなたは僕を殺したくないはずだ。

なんで?

なぜなら僕を殺せば、それはあなたの一部、つまり自己の内部を洞察し分析する自発的意志、あなたの中枢である
ところの内部の存在(←つまり脳ね)を殺す事になるからだ。

黙るんだ! もうレポーターでも精神分析医でも好きな方をでっちあげろよ。

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